小説 World-・ 11

「力集者の目的は、自分自身の力による世界統一だ。」
「世界統一?それって、世界征服みたいなもの?」
「はずれてはいないが、少し違うな。世界統一は、今バラバラになりつつあるこの世界を、1つの国のようにしてしまうことだ。」
「へぇ...なんか聞いてみると、良いことみたいだね。」
「そうとも受け取れるかもしれないが、なぜこの世界がこんなにもバラバラなのに、こうして今成り立っているかわかるか?」
「ううん。わからない。」
「すべての者には性格、個性、心がある。それは皆、同じではない。同じじゃないからこそ、1匹1匹の考えがあり、思いやりや助け合いがうまれる。国も同様、文化、歴史がある。世界が統一するということは、ポケモンたちも皆、統一され、性格も個性も統一されてしまうだろう。そうなってしまえば、思いやりも助け合いもうみだされない。」
「世界崩壊...。」
「そのとうりだ。」
クライの説明は分かりやすいのかもしれないが、私には難しい。なんとなくまとめてみたのが当たりだったとは...しかし、世界が壊れる、か。恐ろしいな。
「また来たぞあいつら!ユクリのやつ何処にいるんだ!」
近くにいたレディアンが怒鳴る。レディアンの見ている空を見ると、そこには力集と思われるポケモン達が急降下していた。
「うわっクライ!あれ力集だよね!?どうしよ....。」
その瞬間、クライから返事が返ってくる前に力集の集団の中に飛び込んでいくルカリオが見えた。
はっけい!!
ルカリオがそう叫ぶと、彼の手から波動があふれだし、その拳を力集の1匹、ムクバードに叩きつけた。
ドンというにぶい音が辺りに響き渡る。それと同時に、力集の集団はいっせいにルカリオに襲い掛かる。
「あ、あのルカリオがもしかして、ユクリさん?」
「そうだな。しかし今回のバトルではお前のこともあり敵の数が増えている。戦い慣れてるとはいえ、あの数では苦戦するだろうな。さて、俺もまざってくるか。ココで待ってろ。」
「え?バトルに参加するってこと?き、気をつけてよ。」
「了解。」
つづく-----