小説 World-・ 12

クライは跳躍をした。高く跳ぶ。
どうやらクライは、空から攻撃してくる敵を無理やり地上に落とし、地上戦にもちこもうとしているユクリとは裏腹に、自らも空中に飛び上がり、空中戦をしようという考えのようだ。
「アイツ...本当にただのサンダースなの?それにしては、跳躍力が凄まじい...。ていうか、飛行タイプに空中戦を挑むとか、何考えてるんだか...。」
少し心配だったが、前に約15匹の敵にたった1匹で挑み勝ったということは、今回もおそらく大丈夫なのだろう。それにあのユクリというルカリオもいるし。
爆音が鳴り響く。銃声だ。気づくとクライの両手には拳銃が握られており、二丁拳銃の形になっていた。
爆撃弾!!
クライが銃弾を撃ちだす。凄まじい銃声とともに撃ちだされた銃弾は、敵に当たるとともに光り、爆発する。敵の近くにほかにもポケモンがいれば、そいつらも巻き込めるだろう攻撃だ。
「貴様...俺のバトルに乱入してくるなんて、ずいぶんと勇気があるな。何者だ?」
また敵を地上に叩き落とすためにジャンプをしたユクリが、クライに話しかける。
「敵の数が多いと思いってな。いつもより数が多いだろ?それならばいくら実力のあるものでも、苦戦するはずだ。それに乱入じゃない、お前に助太刀してやってるんだ。ほら、おしゃべりしてる暇はないぞ?」
ユクリの後ろに敵の1匹がまわりこむ。しかしそれをユクリはキックで叩き落とす。
「それはどうも。ずいぶんと派手な攻撃をするな。」
「俺の攻撃は全部オリジナルだからな。ま、おしゃべりはバトルの後でな。」
「フン。」
ユクリが地上に着地する。地上にはユクリに落とされたポケモンがたくさんおり、それをユクリは...
大波動弾。」
自らの能力を生かした巨大な波動弾で敵を一掃した。どういう仕組みなのか敵の姿は跡形もなく消えてしまった。力集の者は普通とは違うのだろうか。
連撃紅蓮砲。」
今までで一番の爆音が鳴り響く。クライの拳銃に炎が集まり、それが次々と熱風を放ちながら撃ちだされる。
「...ついていけない。」
私はまるで次元の違う映像を見ているような気分だった。
つづく-----