小説 World-・ 10

「ところでさ、クライ。アンタいろんな情報を知ってるんだよね?なのになんで情報収集するのさ。」
「気分だ。」
私たちは今、ヒルノ町という所にいる。町なだけあって、広くてにぎやかだ。
「これからどうするの?またそのうち、力集とかいうやつらが追いついてくるかも。そしたらこの町を巻き込むことになるよ?」
「安心しろ。力集のやつらは、この町に3回もきている。まぁ、みんな返り討ちにあっているがな。」
「3回も!?じゃあ、この町には能力者(強い力をもっていたり、普通とは違う力をもっている者)がいるの?」
「そのとうり。ココにはユクリというルカリオがいてな、そいつは波動を強くする能力が強い。まぁ、お前ほど能力自体は強くないがな。」
「わ、私より能力が弱い?じゃあ私って、どれだけ強い能力をもってるの?」
「お前のは能力というより異能力だ。つまりお前は異能力者、ずば抜けて能力が進化したものを持つ者だ。いちいち質問するな。」
「だって、何を聞いても答えが返ってくるんだもん。てか、異能力...初めて聞いたな。」
「異能力者は1億匹に1匹の値で生まれるといわれている。つまり、超レアだ。だからこそお前は力集に狙われやすくなるだろうな。」
「うう...私って恵まれないな...。」
「だからこそ俺がお前についてるんだ。力集者に、異能力は渡してはいけない。それにメルナス、お前はかなり恵まれているぞ?差別されし者が小さき頃に引き取られ、育てられるなど、恵まれすぎているほどだ。偽りといえど、兄に、ゼロムに感謝するんだな。」
「うん、そうだね。感謝しなきゃ...そういえば、どうしてお兄ちゃんは私を育てくれたのかな?」
「他人の隠し事に足を踏み入れるな。俺はそれを知ってしまうが、めったには話さない。お前は今まで築き上げた信頼を崩す気か?」
「ううん。やめとくよ。じゃあさ、クライ。この質問には答えてくれるかな?」
「内容による。」
「力集者はどうして力を集めているのか。答えてくれる?」
「いいだろう。答えてやる。その質問の、すべての真実をな。」
つづく-----