小説 World-・ 6

「クライグス・ヂィルノ...?誰ですか、そいつは?」
「あれ?聞いたことない?有名なはずなんだけどなぁ...。」
嘘だ、聞いたことぐらいある。クライグス・ヂィルノ。この世で起きたこと、すべてを知っているといわれている者だ。1秒前に起きたことだって、全部知っている。
「クライグス君はね、ボクに協力してくれたんだ♪彼の言うことすべてが本当...どうせ知っているんだろう?クライグス君のことを。君の口から出てくる言葉こそが戯言。嘘はいけないよ?」
まただ...。こいつは他人の心を読む。そのせいで、狂いそうになる。こいつは自分のすべてを知っていると相手に思わせ、狂わせる。
「まぁ、君の力はまだまだボクら迅盗団に必要不可欠さ♪追及は、しない。もちろん、追放も、しない。もっと喜びなよ♪」
「...。」
追放なんかされたら、私生活できないじゃん...!!喜んでもいいんだろうか...。
「まぁ、今日はなんかだるいから休日ってことで!はい、撤収撤収!!」
「へ?」
・・・気づくと私はアジトの外に投げ出されていた。言葉のとおり、投げられた。節々が痛い。どうしてくれんだ。コラ。
「うぐ...。」
あれ、もしかして私、だれか踏んでる...!?
「貴様...いきなり飛んできたと思えば、いきなり俺の上に落ちてくるとは、どういうつもりだ...?」
「ご...誤解です!スミマセン!ぶん投げられたんです!!」
て、何いってんだ私!!こんな言葉、言い訳にもならないじゃん!!
「ああ、そうか。なら仕方ない。」
あれぇ...?信じてもらってる?てか許すの!?
「なんか、その、スミマセン...。」
「なぜ君が謝る?君は投げられたのだろう?なら仕方がない。投げたやつが謝罪するべきだ。まったく、被害者に謝らせるとは許せんやつだ。」
なんかこのポケモン...騙されやすそぉッ!!
「あの、その...名前、聞いてもいいですか?ちなみに私はメルナスっていいます。」
「ん?俺か?俺の名は、クライグス・ヂィルノだ。クライとでも、呼んでくれ。」
つづく-----