小説 World-・ 5

アジト内---
「やあ、来たかい。メルナス♪」
ほとんどの言葉の語尾に♪がついているようなしゃべり方のポケモン、このポケモンが盗賊団「迅盗団」のリーダー「ヒルズ・サミン」だ。
「話って何ですか?リーダー。」
「せっかちだなぁ。まぁ、君がそう望むならいいよ。単刀直入にいく。君の友達、探検隊でしょ?」
心臓が高鳴る。心臓の音がヒルズにきこえてしまうのではないかと思うほど、心臓の音は強くなる。
「な...なにを言ってるんですか...?」
「フフ...丸分かりだよ。メルナス。そうそう、君の兄も、探検隊になるらしいね♪」
なんで知ってるんだ...!?マーメナのことはともかく、なぜ兄のことを!?兄が探検隊になると決めたのは昨日のはずだ。昨日の情報をなぜヒルズが知っている!?混乱してると、ヒルズがペラペラとしゃべりだした。
「混乱しているようだね。まぁ、仕方の無いことだよ。だってこれ昨日の情報なんだもんね♪知りたい?知りたいよね。どうしてボクが昨日の情報を知っているか。教えようか?教えよう。この情報、どうやって手にいれたのか。くわしく?そう、くわしく。もう話すことはないというぐらい。」
相手に話す隙を与えないしゃべり方。それがヒルズのしゃべり方だ。
「まあ、君の仲間、兄が探検隊なんて、君がボクら、迅盗団の情報を送っていると考えたって、仕方の無いことだよねぇ...?」
「冗談はよしてください。兄が探検隊?友達が探検隊?そんな戯言、よしてくださいよ。」
「ひどいなぁ...。そんなに仕事を失うのが怖い?それとも、スパイとしての仕事を失うのが怖いのかい?」
そういう訳じゃない。ちがう、ちがうんだ。やりたくないけど、今ではこの仕事も...。
「楽しく感じる。」
「そうかい、うれしいよ。」
私は思わず口をふさぐ。しまった、つい口にだしてしまった。楽しい、か。これが私の本音なのだろう。
「話を変えてしまったけど。それじゃぁ、情報をどうやって知ったか、教えてあげよう♪」
空気を変えるかのようにヒルズが話を変えた。
「ボクがこの情報を知ったのはねクライグス・ヂィルノのおかげさ♪」
つづく-----